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『エール』から始まる二階堂ふみ最強伝説~周囲を引き立てる演技力~ [『エール』から始まる二階堂ふみ最強伝説]

『エール』から始まる
二階堂ふみ最強伝説
~周囲を引き立てる演技力~




二階堂ふみ最強伝説.GIF
朝ドラ『エール』ホームページから



朝ドラ『エール』が好調だ。


そもそもは出だしで躓いた。


初回冒頭4分ほどの奇想天外な
演出が裏目に出て、
初回の視聴率は右肩下がりと
なってしまった。

その後3週は平均視聴率が
20%を割った。


コロナ禍で在宅者が増え、
テレビのHUT(総世帯視聴率)が
上がっている中での大台切れは、
例年と比べ低調な序盤と
言わざるを得ない。

ところが4~6週は
平均を20%台に戻し
第7週で21%を超え、
今週(第8週)は22%に
迫る勢いだ。


二階堂ふみの存在感が増すと
共に数字が上向いた感じだ。


「春ドラマ出演者の中で、
演技がうまいと思う若手女優」
というアンケートで、
断トツ首位に立った通りの
展開となっている。


後々に同ドラマが名作と称えられ、
二階堂ふみ最強伝説が
定着しそうな予感がある。

演技がうまい若手女優1位


アンケートはパイルアップ社が
この春実施したもの。


テレビを一定以上見る1200人に、
春ドラマ出演を前提に、
20代以下の若手女優の中から
選んでもらった。



二階堂ふみ最強伝説-1.GIF



結果は、5位門脇麦・4位川口春奈は、
大河ドラマ『麒麟がくる』のメイン。

3位波瑠も、始まったばかりの
土曜ドラマ『路~台湾エクスプレス~』
で主人公。

NHKドラマが上位を輩出しているが、
両ドラマとも数字も評価もまずまずだ。

そして1位には、
朝ドラ『エール』ヒロイン
・二階堂ふみが選ばれた。

テレビドラマでは、
17年『フランケンシュタインの恋』
ヒロイン

・18年大河ドラマ『西郷どん』
愛加那役

・19年『ストロベリーナイト・サーガ』
主役、映画でも
18年『リバーズ・エッジ』主演

・19年『飛んで埼玉』主演と
着実にキャリアを積んで来た。


アンケートでの
「うまい若手女優」の複数回答では、
半分近くの人が彼女に入れた。

さらに
「最も演技がうまい」と
一人だけを選ぶ質問でも、
四分の一を超える
支持が集まり、
2位以下に大差をつけた。

しかも男女年層別の大半の
世代でトップという圧倒ぶりだった。

調査を実施した同社の
高木章圭メディア研究員は、
この結果は二階堂ふみの
魅力の表れだという。


「二階堂さん演ずる音は、
一見頼りない裕一(窪田正孝)を
陰で支えるどころか、
裕一のためにズバズバ動く強さが
印象的です。

調査では男性より女性の方が
好意的でした。

男性票が強いのは、
可愛らしい雰囲気の方や
アイドル的イメージのある方。

ところが二階堂ふみさんは、
そんな男性のどの世代にも
支持されると共に、
女性の全世代でトップでした。

可愛らしさと強さを
併せ持つイメージが、
女性にも憧れや好感を
抱かせたのだと思います」





名作の予感

冒頭で紹介したように、
『エール』は出だしで
躓いた。

ところが4週以降、
徐々に視聴率を挙げている。


二階堂ふみ最強伝説-2.GIF




女性65歳以上では、
初回の途中で脱落者が続出した。

ところが、その後は徐々に戻って来て、
4週以降は右肩上りとなっている。

視聴者の中の最大ボリュームゆえ、
全体の数字を押し上げるのに
貢献している。


他の世代でも、
F2(女性35~49歳)も
4週から上向いた。

F3-(女性50~64歳)は、
6週以降で急伸している。

世帯視聴率を20%台に
戻した第4週は「君はるか」。

裕一(窪田正孝)と
音(二階堂ふみ)の付き合いが
始まった週だ。


「国際作曲コンクール」で
入賞したのを、我がことのように
喜ぶ音。

さっそくファンレターを出すも
(第18回)、
返事がなかなか来ないことに
やきもきする(第19回)。


一途で感情をはっきり出す、
内部エネルギーの強い女性を
好演していた。

第5週「愛の狂騒曲」で、
二階堂ふみのアクセルが全開となる。

豊橋の音の家に裕一が訪れる。

豊橋の街や祭りで可愛い表情を
見せる音に、裕一は次第に
惹かれていく(第21~22回)。

しかし音の母・光子(薬師丸ひろ子)は、
身を引くように忠告。

そこに裕一の父・三郎(唐沢寿明)が
連れ戻しに来る。

そこで4人がちゃぶ台を挟み、
1話まるまる1場面の会話劇が
展開された(第23回)。

三郎の意見に真っ向から
反論する音の強烈な意志。

笑い、純真さ、強い女と、
異なる側面を変幻自在に
演ずる姿は、大いに
楽しませてもらえた。


第6週は「ふたりの決意」。

裕一の失意を知った音が、
川俣銀行に単身乗り込む(第28回)。

レコード会社に裕一との契約を
させる(第29回)。

愛のために前に出続ける女を演じ、
遂に裕一を上京させることに
成功する(第30回)。

「どんどん動く強さ」で
彼女の魅力が際立った一週間だった。

視聴率が21%を突破した
第7週は「夢の新婚生活」。

二人の甘い生活(第31回)、
初めての夫婦喧嘩(第33回)、

裕一の契約金減額を撤回させる
レコード会社への直談判(第34回)。

才能があるのに気弱で優柔不断な
裕一を好演する窪田正孝も
魅力的だが、主役を奪って
しまうような多彩な演技を
見せる二階堂ふみ。

「感性のオバケ」と評される
彼女の名場面を一気
見したくなるような展開だった。

そして第8週は、
早大の応援歌が登場する
「紺碧の空」。

作曲が出来ない裕一と
口をきかなくなった音(第37回)。

実家に帰りヒントを得た音は(第38話)、

早大応援部団長(三浦貴大)に
働きかけ裕一に曲を書かせることに
成功する(第39~40回)。

負のスパイラルに陥った時の
イライラをため込んだ演技と、

それでも陰で支えようとする
健気さ。

そして、ようやく曲が出来た時の
喜びの発露。

ストーリー展開を彩る二階堂の
演技の幅は、見る者を
じゅうぶん楽しませてくれる。


幅広い演技力が多様な視聴者を魅了

SNSでも、二階堂ふみの存在を
称えるつぶやきがたくさん見られる。

「顔芸が楽しいw。
可愛いのに演技力がしっかりしてる」

「今まで良さが分からなかったけど、
このドラマでその魅力が分かった!」

「“表情芝居の巨匠”と
呼ぶに値します」

「15分で終わっちゃうのツライ。
早く続きが見たくてウズウズ
しちゃうよ」

「後々名作と讃えられる予感」

「二階堂ふみさんの代表作となるな」

二階堂は同ドラマの台本を
高く評価している。


「(演技の)余白を鉾して
くださっている台本なので、
俳優陣の中から生まれた
新鮮なものを、ちゃんと
カメラに収められている
気がします」

つまり台本を超えた表現が、
役者の演技力で出来ている
ということだろう。

自分だけでなく、
周りの役者たちも
引き立てる二階堂ふみの
存在感は特筆に値する。


それにしても、
6月に一時休止となって
しまうのは残念でならない。

「早く続きが見たい」という
ウズウズ症候群が感染拡大
するのは間違いないだろう。

それでも再開して全話が
無事終了した後に、
『エール』が名作と称えられ、
二階堂ふみ最強伝説が
定着しそうな予感が確かにある。



鈴木祐司

次世代メディア研究所代表/メディアアナリスト

愛知県西尾市出身。
1982年、東京大学文学部卒業後に
NHK入局。番組制作現場にて
ドキュメンタリーの制作に
従事した後、放送文化研究所、
解説委員室、編成、
Nスペ事務局を経て
2014年より現職。

デジタル化が進む中で、
メディアがどう変貌するかを
取材・分析。

特に既存メディアと
新興メディアがどう
連携していくのかに関心を持つ。

直近の制作番組では、
テレビ60周年特集
「1000人が考えるテレビ ミライ」、
放送記念日特集
「テレビ 60年目の問いかけ」
(共に2013年)。

著作には「放送十五講」
(2011年、共著)、
「メディアの将来を探る」
(2014年、共著)。
津田塾大学では
計算機科学研究所にて
客員研究員を拝命中。


https://news.yahoo.co.jp/byline/suzukiyuji/20200523-00179899/












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