宇賀なつみ、『報ステ』だけ担当した5年間の焦りと得たもの

宇賀なつみ、『報ステ』だけ
担当した5年間の焦りと得たもの





昨年テレビ朝日を退社した宇賀なつみ
（NEWSポストセブン）




昨年テレビ朝日を退社し、
フリーアナとなった宇賀なつみ（34）。

ここ数年のテレ朝の代名詞と
なった入社早々から新人アナを
看板番組へ大抜擢する試みの
“元祖”は2009年に入社した
彼女だった。

異例の「史上最速デビュー」を
果たした“エリート”が当時の
心境を赤裸々に語る。



＊　＊　＊


入社当日の4月1日から
『報道ステーション』の
気象キャスターを
担当させていただきました。

実は大学4年の2月に当時の
番組プロデューサーから会社に
呼び出されていました。

話を聞かされた時は本当に
驚きました。

恐らく玉突き人事でしょうし、
話題性狙いの側面もあったと
思いますが、知らない人が
誰もいない看板番組の中に
1人で飛び込むのは
正直怖かったです。


でも
「選ばれたからにはしっかりやろう」と
覚悟し、予定していた卒業旅行は
全てキャンセル。

研修に通いながら、
必死で色々なことを
詰め込んでデビュー当日を
迎えました。

そこから気象情報を2年4か月、
その後は同番組のスポーツキャスターを
担当させていただきましたが、
夜の本番に備えながら常にロケに
出られるよう準備していたので、
入社から5年は「報ステ」だけ。


まさに公私の境目なく、
報ステ一色の生活。

スポーツ担当の時は関東圏の
球場にはプライベートでも
通いましたし、前日の結果を
受けて

「よし、明日行こう！」と
北海道から九州の試合会場へ
日帰りで取材に行くことも
ありました。


そんな調子ですから、
当然他の番組は一切担当で
きませんでした。

報ステは他の番組以上に
毎日しっかりと反省会を
行なっていましたし、
毎日の仕事に余裕は
一切なかったのですが、

やはり他番組に
関われないことには
焦りも感じていました。

様々なジャンルに挑戦している
同期の仲間たちを羨ましく
感じることもありました。


その後は報ステを卒業し、
『グッド！モーニング』や
池上彰さんの番組、

バラエティなど様々な番組を
担当させていただきました。

今思い返せば、
入社直後からひとつの番組に
長く集中して関わらせていただき、
アナウンサーの土台を固めること
ができたのは貴重な体験でした。


昨年退社し、今は事務所に
所属することなく完全に
フリーで活動しています。

これもテレ朝時代に様々な番組に
関わらせていただけた賜物です。

ひとりで経理や総務的な処理も
行ないつつ日々の仕事や予定の
調整をこなすのは確かに大変です。


しかし事務所やマネージャーを
通さないスピード感は
フリーランスならではで楽しいですし、
将来の選択肢を増やすためにも
必要なスキルだと思っています。




傘をさしてしゃがみ、微笑む宇賀なつみ




【プロフィール】

うが・なつみ／1986年生まれ、

東京都出身。

2009年にテレビ朝日入社。
気象キャスター、
スポーツキャスターを務めた後、
情報・バラエティ番組を幅広く
担当した。

2019年に退社後、フリーに。

取材・文■河合桃子

※週刊ポスト2020年8月28日号




NEWS ポストセブン 8/19(水) 7:05配信

最終更新:8/19(水) 7:53



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