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西島秀俊、映画『ドライブ・マイ・カー』を観るべき理由 [西島秀俊、映画『ドライブ・マイ・カー』]

西島秀俊、映画『ドライブ・マイ・カー』を
観るべき理由


西島秀俊、映画『ドライブ・マイ・カー』.GIF



俳優の西島秀俊が主演し、今年の
『第74回カンヌ国際映画祭』で
脚本賞など4つの賞を獲得し
話題をさらった濱口竜介監督の
映画『ドライブ・マイ・カー』。

本作で、ある秘密を抱えたまま妻が急死し、
喪失感を抱えたまま生きる
主人公・家福を生々しくも静かに
熱演している。

本作を観るべき理由を
西島へのインタビューから探った。


朝ドラとも深夜のコメディードラマとも違う“俳優・西島秀俊”



西島秀俊、映画『ドライブ・マイ・カー』-1.GIF


――さまざまな役柄を演じ分け、
作品ごとに全く異なる顔を見せるのが役者、
とはいえ、朝ドラ、劇場版が公開される
深夜ドラマ、そして本作と…、
本当にいろいろ、ですね。

西島 全部違っているから、
全部やりたいと、思うんですね。
どの作品も意味のあるものですし、
求められるものも違いますし、
作品に込める思いもそれぞれ
異なります。

僕としては全部、観ていただけたら
うれしいです(笑)。

朝のドラマだったら、
地震や台風などの自然災害が極めて
多い国の一人ひとりの気持ちに
寄り添うことの大切さを丁寧に
伝えていきたいという思いがありますし、
深夜のコメディーだったら、
ドラマを観ている間だけは、
現実から少し離れて、
楽しく、ホッと一息ついてもらいたい。

映画『ドライブ・マイ・カー』は、
濱口監督が書いた本がすばらしくて、
これまで読んだどの本とも違う
圧倒的なものを感じ、

「挑戦したい」と思った作品。

これを演じきるのは並大抵の
ことではないな、ということは
はじめからわかっていましたけど、
撮影中もどんどん本が
ブラッシュアップされていき、
空き時間はずっと本読みをしていたくらい、
全エネルギーを注いで取り組んだ
現場でした。

人は本当に絶望から立ち直ることが
できるのか、という問いの答えを
みんなで模索しながら作っていった
作品です。


原作:村上春樹×監督:濱口竜介 世界基準のタッグ


西島秀俊、映画『ドライブ・マイ・カー』-2.GIF



――脚本のすばらしさは、
カンヌ国際映画祭で日本映画史上初となる
脚本賞を受賞というお墨付き。
海外の観客にも受け入れられた
要因はどこにあると思いますか?

西島 この映画に関しては、
村上春樹さんの作品を映画化したと
いうのが一つ、大きいと思います。

以前、イスタンブールで開催された
映画祭に参加した時に、
初老の女性から
「村上春樹の最新作読んだ? どう思う?」
と聞かれたことがあって、
ものすごく驚いた経験があります。

国や文化、年齢や性別を越えて、
世界中に愛読者がいるということは、
ある種の普遍性があることは
間違いない。

そんな村上春樹作品を映画化する
許可が下りたことがすごいと思います。

濱口監督も、圧倒的な脚本力と
豊かな表現力で、人間が持つ
多面性や複雑な感情という
普遍的なものをあぶり出して
きたからこそ、海外の映画祭などで
高く評価されているんだと思います。

さらに、原作の主人公が抱える
喪失感や一緒にいるのに
心がつながっていないような
虚無感といったものも、
すごく通じるところがある。

監督が映画化を熱望したというのも
わかる気がしました。

映画は、多言語演劇を取り入れる
大胆なアイデアもありながら、
原作から大きく外れることもなく、
でも濱口監督にしかできない
唯一無二の作品になっていると
思います。


登場人物たちの心のありようから、自分自身への気づきへ



西島秀俊、映画『ドライブ・マイ・カー』-3.GIF


――村上春樹さんの小説のファンの方から
映画感想を聞いてみたいですね。
ところで本作は「上映時間179分」と
最初に聞いた時は「長いな、大丈夫かな?」と
思ってしまったのですが、実際に観てみると、
さすがというか、ラストまで引きつけられました。


西島 それだけ密度が濃いんだと思います。
質の高い海外ドラマを何時間もイッキ見
できるのと一緒だと思うんですよね。

『ドライブ・マイ・カー』には、
撮影の四宮秀俊さんによる映像美なんて
言葉では表しきれない真実みたいなものが
ちゃんと映っているように思えたんです。

それは、現場でうそをつくのは
やめようという意識が全体に
あったからだと思います。


――うそをつくのはやめるとは? 
ストーリーに都合が良いからとか、
見映をよくするためにそこにないものを
足すとか、消すとか、違うものを
持ってくるとか、そうことをやめる
ということですか?


西島 そうですね。普通はリハーサルで
どう動くか決めておくようなところも、
今回の現場では僕ら役者が感じるままに
自由に動くことができました。

四宮さんはどうやって撮っていたんだろう、
と現場にいた僕も驚いたシーンが
いくつもあります。

ほかにも、車の中で会話するシーンでは、
僕はものすごく小さい声で
話していたんですが、録音部から
「もう少し大きい声で」といったことも
ありませんでした。

完成した作品を見て、
濱口組のスタッフの技術力の高さに
改めて驚きました。


西島秀俊、映画『ドライブ・マイ・カー』-4.GIF



――本作は2020年3月の撮影が、
新型コロナの影響で中断。
当初、韓国・釜山で撮影する予定が
広島に変更され、11月に撮影を
再開するという状況でしたが…。


西島 ある出来事があって、
後半はその2年後が描かれるのですが、
ちょうど、その出来事が起きたところまで
撮影して、ひとまず終了となったんです。

最初の緊急事態宣言であらゆることが
ストップしてしまうという、
僕らが初めて経験したことが、
ある出来事によって人生がプツンと
途切れてしまった男の話と、
うまくリンクしたと思います。

東京から広島、広島から北海道へ、
車の走行シーンがたくさんありますが、
日本各地の景色を見ることができますし、
余計な演出をしていない分、
今の日本の空気がそのまま映り込んで
いると思うんです。

そういった映像からも何か感じて
いただけるかもしれません。



――映画の良さってなんだと思いますか?

西島 僕自身は、ハリウッドの
超大作娯楽映画も好きですし、
アート系映画で僕の人生は
変わってきたと言えるくらいですし、

とにかく笑って嫌なことを
全部忘れられるような映画も、
時々観たくなります。

現実離れした、現実ではない世界を
見せてくれる映画の良さもありますが、

『ドライブ・マイ・カー』のように
自分と地続きの登場人物が出てくる
映画では、いろんな思いを抱えながら
生きている人たちの心のありようや
感情の変化を見ることができます。

それが自分自身への新たな気づきに
つながるかもしれません。

一歩でも前に進みたいと思っている人にも
観ていただいきたい作品です。


【8/20(金)公開】「第74回カンヌ国際映画祭」
コンペ部門出品 映画『ドライブ・マイ・カー』
(PG-12)90秒予告






『ドライブ・マイ・カー』

8月20日公開


西島秀俊、映画『ドライブ・マイ・カー』-5.GIF


西島秀俊
三浦透子 霧島れいか
パク・ユリム ジン・デヨン ソニア・ユアン
ペリー・ディゾン アン・フィテ 安部聡子
岡田将生

原作:村上春樹 「ドライブ・マイ・カー」
(短編小説集「女のいない男たち」所収/文春文庫刊)

監督:濱口竜介
脚本:濱口竜介 大江崇允
音楽:石橋英子
製作:『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント、ビターズ・エンド
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
配給:ビターズ・エンド
(C)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会 
2021/日本/1.85:1/179分/PG-12
公式サイト(外部サイト)

オリコン 2021-08-19

https://www.oricon.co.jp/special/57141/



【8/20(金)公開】「第74回カンヌ国際映画祭」コンペ部門出品 
映画『ドライブ・マイ・カー』公式上映&レッドカーペット
(修正版)







【8/20(金)公開】<祝!>脚本賞受賞「第74回カンヌ国際映画祭」
コンペ部門出品 映画『ドライブ・マイ・カー』授賞式
















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