【#しんどい君へ】別の居場所に救われた眞鍋かをりさん「自分の価値観からはみ出して」

【#しんどい君へ】別の居場所に
救われた眞鍋かをりさん
「自分の価値観からはみ出して」






タレント　眞鍋かをりさん　41

新型コロナウイルスの感染拡大は、
若者にも大きな影響を与えている。

昨年、児童生徒の自殺の原因・動機は、
「進路」「学業不振」が上位となった。

大学時代から仕事を始めた
眞鍋かをりさんは、多忙な生活から
逃げ出せず心身ともに追い詰められた。

様々な悩みを抱える若者、
そして、生きづらさを
感じる子供たちに
「視野を広げ、時には
自分の価値観からはみ
出してほしい」と
語りかけます。


自分の特性を知り、自己否定減る



眞鍋かをりさん


都会の生活に憧れ、
愛媛県西条市の県立高校から
横浜国立大学に進学しました。

上京してまもない大学1年の春、
東京・渋谷でスカウトされ、
グラビアの仕事も始めました。

でも、心身ともに追い詰められた
時がありました。

大学に通い始めて半年ほどたった頃、
仕事が忙しくなりました。

毎日、朝から晩まで水着で
撮影をして、いつも睡眠不足。

自分でスケジュールを
把握することもできず、
自由もありませんでした。

個人的に開設したホームページの
掲示板には、

「死ね」

「よく人前に出られるな」
などという誹謗（ひぼう）中傷が
書き込まれました。

心配をかけたくなかったので、
親や友人には相談できませんでした。

「もう辞めたい」。

勇気を出して事務所に
訴えても許されず、
苦しくなりました。

でも、本分は学業だと
思っていたため、
なんとかバランスがとれました。

大学という別の世界、
別の居場所があったことは、
精神的な救いになりました。

そして、その後に開設したブログも、
自分らしく伸び伸びと発言できる
大切な居場所になりました。

仕事がつらかったのは、
注意欠陥・多動性障害（ADHD）の
傾向があったことも関係していると
思います。


仕事では、決められた立ち位置に
いられなかったり、忘れ物を
繰り返したりしました。




「大学という別の世界、
別の居場所があったことは、
精神的な救いになりました」と、
苦しかった時のことを振り返る
眞鍋さん



しばしば周囲を困らせ、
怒らせてしまい、

「やる気がない」

「自覚がない」
と指摘されました。

その度になぜできないのかと
落ち込みました。

振り返れば、小さい頃から
じっと黙っていることが
苦手でした。

横断歩道で左右の確認が
足りず車にはねられたことや、

スーパーに積んであった
レタスを見て、
「たたいたら、どんな音が
するんだろう」と衝動的に
手が出たこともありました。

親は
「おなかに虫がいる」と
言っていましたが、

「ちょっと変だけど、
そういう子だからね」と
自然に受け入れてくれて
いたと思います。

23歳の頃、本でADHDのことを知り、
「私のことだ」と思いました。
専門外来で問診を受けると、

「その可能性は高い。
でも、今の生活に不都合は
ありますか？」と聞かれました。

年齢と共に多動性や衝動性は弱まり、
ミスをしないよう自戒して仕事に
適応していった部分もあるため、
そこまで大きな支障はないと
思いました。

自分の特性を自覚したことで、
失敗しても自己否定することが
減っていきました。


居場所は「星の数ほどある」



作成・読売新聞

自分が親になって気付いたことが
あります。

子供は親の対応次第で、
精神的に安定することも
あれば、不安定になることも
あります。

10代の頃はなかなか
気づかないかもしれませんが、
自分の子育てに自信が
持てずに悩んでいる親は
多いのです。

私も5歳の娘に対して、
「もっと違う言い方を
すればよかった」と
反省することは多い。

親子関係で悩んでいるあなたは、
親の言動に疑問を持ち、
親の価値観から出て
自立しようともがいている
最中かもしれない。

親子関係を客観的に捉えるためにも、
決して一人では悩みを抱え込まず、
自分を否定せず、誰かと話を
してほしいと思います。

コロナ禍で日々の生活は
ぎすぎすしたものとなりました。

私も、やりたいことが
思うように処理できずに
ストレスがたまり、
イライラしていた時が
ありました。

ストレスの原因を分析して、
今やらなければならないこと
なのかを考え、いくつか
先送りしました。

すると、心に余裕が生まれ、
自分を取り戻しました。

ストレスは精神的な
ダメージを与え、
正常な判断力も奪います。

自分の状況を客観的に捉えて、
「ストレスのせいだ」と
認識できれば、解決の糸口は
見つかるはずです。


今、学校という狭い世界で
つらくなっているあなたには、
他にも居場所は星の数ほど
あるんだよと伝えたい。



眞鍋さん自筆のメッセージ


この社会は、不平等で理不尽で、
努力したからといって必ず
報われるとは限らない。

こうすれば幸せになれるなど
という無責任なことも言えません。

ただ、居場所は一つじゃない。

あなたの将来への可能性は
360度広がっていることも
知ってほしい。

もし、道を間違えたとしても、
いつでも方向転換できます。

自分を責めたり、
自分を傷つけたりする子は、
まじめで優しいのだと思います。

だから、自分の苦しさを
他人のせいにできずに
ストレスを抱え、
自分に価値がないと
思ってしまう。

まじめで優しいのはとても
ステキなこと。

だけど、もっと図々しく
なっていいんじゃないかな。

学業や進路で悩んで、
思うようにいかなかったとしても、
あなたの価値はそこだけじゃない。

あなたには別の居場所もあります。

自分の価値観からはみ出してみる
勇気を持ってください。


まなべ・かをり

横浜国立大教育人間科学部に
入学した1999年、グラビアアイドル
としてデビュー。

2004年に始めたブログの
飾らない語り口が人気を集め、
テレビなどへ活躍の場を広げる。

東京都のパラ
（パラスポーツ・バリアフリー）
応援大使を務める。

　※この連載はYahoo！
ニュースとの共同連携企画です。



読売新聞オンライン 8/19(木) 16:05配信

最終更新:8/19(木) 16:05


https://news.yahoo.co.jp/articles/d0429464f279d738a2753c3594828d278aea80aa?page=1
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