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コロナ禍の影響は? 「昭和臭」漂う夏ドラマが増加のワケ [「昭和臭」漂う夏ドラマが増加のワケ]

コロナ禍の影響は? 
「昭和臭」漂う夏ドラマが増加のワケ




「昭和臭」漂う夏ドラマが増加のワケ.GIF
昭和臭がする?『竜の道』(公式HPより)
(NEWSポストセブン)





「特別な夏」に放送されている
この夏のドラマは、いつもとは
ちょっと違うようだ。

今、放送されているドラマに
「昭和のにおい」を感じさせる
作品が増えている。

その背景とは? 

コラムニストでテレビ解説者の
木村隆志さんが解説する。



* * *


今夏に放送されている複数の
ドラマから、

「どこか懐かしい感じがする」

「昭和っぽい」などの声が
あがっています。

老舗和菓子屋を舞台に殺人事件の
謎をめぐる人間関係がうごめく
『私たちはどうかしている』
(日本テレビ系)、

双子の兄弟が家族を奪った
大企業社長への復讐に燃える
『竜の道 二つの顔の復讐者』
(カンテレ・フジテレビ系)、

娘を溺愛する父のドタバタ
コメディ『親バカ青春白書』
(日本テレビ系)、

青春真っ盛りの高校生と
軍人の交流を描いた
『真夏の少年~19452020』
(テレビ朝日系)。

『私たちはどうかしている』は
大映ドラマを彷彿させる
ディープな愛憎ミステリー、

『竜の道』は男たちがぶつかり合う
ハードボイルドな闘い、

『親バカ青春白書』は
ほのぼのとしたムードのホームドラマ、

『真夏の少年~19452020』は
青春グラフティと、それぞれ作品の
世界観こそ違いますが、
「昭和のにおいを感じさせる」と
いう点では共通しています。

1クール前を振り返ると、
今春の話題をさらった
『M 愛すべき人がいて』
(テレビ朝日系)も、
浜崎あゆみさんの
サクセスストーリーに
昭和の大映ドラマを
かけ合わせたような作品でした。

さらに、映画では昭和の
ツッパリをフィーチャーした
『今日から俺は!!』が
大ヒットしています。

なぜ令和の今、昭和のにおいを
漂わせる作品が増えている
のでしょうか。

また、コロナ禍の今、
どんな影響が考えられる
のでしょうか。

感情むき出しの姿こそ昭和のムード

上記のドラマが昭和のにおいを
感じさせている最大の要因は、
登場人物たちが感情むき出しの姿を
見せるストレートな脚本・演出。

『私たちはどうかしている』

『竜の道』は憎しみや怒りを
あらわにし、

『親バカ青春白書』は
ストレートに愛を叫び、

『真夏の少年』は
自由や幸せを求めて
喜怒哀楽をあらわにしています。

いずれも感情の種類や表現方法こそ
異なるものの、「愛する人のため」
という思いは同じ。

愛憎、純愛、溺愛、友愛など、
さまざまな形の愛情を感じさせる
ことで視聴者の感情移入を促しています。

今年冬にヒットした

『テセウスの船』

『恋はつづくよどこまでも』
(ともにTBS系)を見ても、

「現在の視聴者には、
まっすぐな愛情を感じさせる
物語が受け入れられやすい」と
いうことがわかるのでは
ないでしょうか。

その
「ストレートな愛情を感じさせる」
とともに重視されているのが、
昭和のにおいを感じさせて
視聴者を癒すこと。

『私たちはどうかしている』の
老舗和菓子屋も、

『竜の道』の幸せだったころの
家族団らんシーンも、

『親バカ青春白書』の
父が娘にデレデレするシーンも、

『真夏の少年』の自然あふれる
のどかな風景も、どこか
ノスタルジックなムードが漂い、
癒しを感じさせています。

ちなみに、現在放送されている
ドラマはコロナ禍が深刻化する
前に決定していた企画であり、
影響を受けて決まった
作品ではありません。

ただ、コロナ禍でストレスフルな
日々が続く中、脚本・演出で
「ドラマの中くらいは厳しい現実を
忘れて癒されたい」という
視聴者感情に寄り添おうと
しているのは間違いないでしょう。

だから重苦しいシーンの多い
『私たちはどうかしている』

『竜の道』ですら癒しの
シーンを挿入して、
その落差で楽しませているのです。


中高年層と若年層をダブルゲット


もう1つ昭和のにおいを
感じさせる狙いとして
あげておきたいのは、
幅広い世代に対する視聴対策。

中高年層が反応するのは当然ですが、
若年層にとっても昭和のにおいは
新鮮な楽しさを感じやすいもの
なのです。

実際、『M』『今日から俺は!!』は
当事者である中高年層だけでなく、
昭和を知らない若年層の支持も
獲得してヒットにつなげました。

ネットや録画機器の普及で
視聴形態が分散し、
幅広い世代の視聴者を
獲得することが難しい時代と
なった今、昭和のにおいを
感じさせることはうってつけの
策なのでしょう。

広義に解釈すると、
大ヒット中の『半沢直樹』(TBS系)も
「現代の時代劇」などと評されるなど、
昭和のにおいがほのかに漂う作品。

こちらは「愛する人のため」というより、
「正義感や使命感に燃える」ことを
ベースにした作品ですが、主人公が
感情を爆発させているという点では
似ています。

現代の物語であるにもかかわらず
ノスタルジックなムードを
感じてしまうのは、
目の前の相手に感情を
ぶつけ合うシーンが多いから。

平成、令和と時代が変わり、
誰かと向き合うことを
ちゅうちょする人が増え、

ネットツールの発達で直接話す
機会が減ったことで、
むしろその希少価値が
上がっているのかもしれません。

【木村隆志】

コラムニスト、芸能・テレビ
・ドラマ解説者。

雑誌やウェブに月20本超の
コラムを提供するほか、
『週刊フジテレビ批評』などの
批評番組に出演。

タレント専門インタビュアーや
人間関係コンサルタントとしても
活動している。

著書に
『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』
『話しかけなくていい!会話術』
『独身40男の歩き方』など。




NEWS ポストセブン 8/22(土) 7:05配信

最終更新:8/22(土) 7:39

https://news.yahoo.co.jp/articles/95d505ec4d1db3bb2086413e280fcc524cc7458c?page=1
https://news.yahoo.co.jp/articles/95d505ec4d1db3bb2086413e280fcc524cc7458c?page=2













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