SSブログ
リモート大喜利で“好楽のドヤ顔”が消えたワケ ブログトップ

検証『笑点』、リモート大喜利で“好楽のドヤ顔”が消えたワケ [リモート大喜利で“好楽のドヤ顔”が消えたワケ]

検証『笑点』、
リモート大喜利で
“好楽のドヤ顔”が消えたワケ




検証『笑点』.GIF
『笑点』がリモート収録になって三遊亭好楽
(後列左から2番め)に異変が?(時事通信フォト)
(NEWSポストセブン)



新型コロナウイルスの感染拡大は、
テレビ界にも大きな影響を
与えている。

54年も続く長寿番組『笑点』
(日本テレビ系)は3月22日放送分を
最後に公開収録を中断。

名物コーナー『大喜利』は
無観客を経て、5月24日放送分から
リモート出演に切り替わった。

7月26日放送分からは
通常のセットに戻ったが、
司会の春風亭昇太、
林家たい平以外の出演者は
リモートのままだった。


これが、ピンクの着物を
羽織る三遊亭好楽に微妙な
変化を与えているという。

笑点研究家で好楽のドヤ顔
ウォッチャーでもある
ライターの岡野誠氏が、
データをもとに考察する。

 * * *


三遊亭小遊三は盗人、

林家木久扇はおバカ、

林家三平はつまらない、

三遊亭円楽は腹黒、

林家たい平はアクション……
『笑点』メンバーには、

それぞれキャラクターがある。

中でも、三遊亭好楽はケチや暇、
落語うろ覚えに加えて
“ドヤ顔”という特異な
顔芸を持つ出演者だ。

あのレイザーラモンRGも
マネしている好楽の
“ドヤ顔”とは何か。

公式本
『笑点五〇年史1966-2016』
(ぴあMOOK)には、事細かに
説明されている。

斜めにあごを引き、
上目遣いでカメラを見据える──。

好楽が回答したあとに見せる
ドヤ顔。

かつては「どうや?」と
いう感じもするが、
最近では不適な笑み
さえ浮かべてドヤ顔して
いることも〉


つまり、好楽のドヤ顔の条件には

【1】斜めに顔を向ける、

【2】あごを引く、

【3】上目遣いでカメラ目線、
の3つがあるわけだ。

今年、1月5日から8月2日まで
『笑点』の大喜利は23度放送された。

その中で、好楽は103回答、
1オンエア平均4.48回答
(小数点3位以下を四捨五入)を
している。

いったい、ドヤ顔を
何回したのだろうか。

好楽の回答後の表情ベスト5を
挙げてみよう。


1位:「笑う」39回

2位:「回答中と同じような表情」22回

3位タイ:「微笑」「ドヤ顔」11回

5位:「吹き出す」9回


【*回答後、司会やメンバーに
突っ込まれる前の表情を
チェックして算出。

笑顔系の場合、声を出して
笑っている=「笑う」、

声を出さずに笑顔=「微笑」

、回答中に笑う=「吹き出す」
と区別する。

笑顔系の後に、ドヤ顔などの
ポーズを取った場合は後者の
みカウント。

何らかのポーズを複数取った
場合は、それぞれを1カウントする。

例えば、3月1日の2問目では
「私、三遊亭好楽。
ヌードモデル始めました」と
回答後、まずドヤ顔を披露。


続けて、正面向かって右に
扇子を動かしながら、
右斜め上を見ておどけた
ポーズを取った。

このケースは「ドヤ顔」と
「おどける」を1つずつ数える】


好楽は今年、23度の大喜利で
11回のドヤ顔を披露している。

単純計算すれば、視聴者は
2オンエアに1回、
そのイヤらしい顔付きを
見られるペースだ。

回答後の表情を公開収録
(1月5日~3月22日・
12オンエア55回答)、

無観客
(3月29日~5月10日・5オンエア27回答)、

リモート(5月24日~7月26日・
6オンエア21回答)の3つに分け、

ベスト3を出してみよう
(*無観客以降は総集編も
放送しているため、

大喜利の回数が減少)。

【公開収録】

1位:「笑う」25回、

2位:「ドヤ顔」9回、

3位:「回答中と同じような表情」 6回


【無観客】

1位:「笑う」11回、

2位:「回答中と同じような表情」7回、

3位タイ:「ドヤ顔」「吹き出す」
「微笑」2回


【リモート】

1位:「回答中と同じような表情」9回、

2位タイ:「微笑」「吹き出す」4回、

3位:「笑う」3回

実は、リモート出演になって以降、
好楽は一度も回答後にドヤ顔を
していない。

6月21日、7月26日の挨拶では、
上記のドヤ顔3条件に当てはまる
表情をしているものの、
どこか寂しげで公開収録時の
ドヤ顔とは趣が異なっている。


ドヤ顔はどんな回答の時に生まれるのか?


リモートとドヤ顔の関係を分析する前に、
好楽のドヤ顔はどんな回答の時に
生まれるのか検証してみよう。

2020年のドヤ顔全11回を調べると、
以下のような結果になった。

1位:4回
「自分のキャラクターを逆手に
取ったネタ」

2位タイ:3回「社会的、一般的なネタ」
「自分のキャラクターを生かしたネタ」

3位:1回「メンバーいじり」

1位になった
「自分のキャラクターを逆手に
取ったネタ」とは何か。

2月16日午後5時49分、
「いろんな人にとって
『知らなくていいこと』とは
何なのか」という問題に、
好楽はこう答えている。

「寄席のお客さんが
知らなくていいこと。

たった1回目の高座のために
命を注いで毎日やっている
落語家の厳しい稽古」

普段の“落語うろ覚えキャラ”を
逆手に取っている。


ドヤ顔発生時のネタ2位以下は
好楽の回答で頻出するが、

1位の
「自分のキャラクターを
逆手に取ったネタ」は
今年の103回答のうち5回しか
使われておらず、
そのうち4回でドヤ顔をしている。

つまり、このパターンの時は
高確率でドヤ顔をするのだ。

実は、リモートでも一度
このネタを使っている。

5月24日、
「すごろくはゴールはあるけど、
芸の道はさあ、ゴールはないんだよ。

知ってるかい?」と
“落語うろ覚えキャラ”を
逆手に取ったネタを披露。


この時、好楽は斜めを向いた──。

しかし、顎は引いておらず、
上がったままの状態に。

そのため、下から覗く
上目遣いではなく、
上から見下ろすような
目線だった。

3条件のうち2つが欠けており、
ドヤ顔とは判断できない。

6月28日の
「1つの漢字を離して、
新しい意味を考えてください」
という問題でも、
「休という字が離れてます。
飛び石連休」と回答後に
斜めを向いたものの、
残りの2条件に欠け、
ドヤ顔には至らなかった。

ドヤ顔を披露しなくなった3つの背景


なぜ、好楽はリモート出演に
なってから、ドヤ顔を
披露しなくなったのだろうか。

主に3つの理由が考えられる。

【1】椅子に腰を掛けている

座布団の上に正座している
通常時と違い、リモートでは
背もたれのある椅子に腰を
掛けている。

今年のドヤ顔場面を振り返ると、

3月22日の1問目を除けば、
角度の差はあれ前屈みになっている。

つまり、後ろに寄り掛かれる
椅子とドヤ顔は相性が悪いのだ。

【2】スイッチャーやカメラマンの存在

普段の収録時は、テレビ画面の
切り替えを行なうスイッチャーが、
カメラに赤いランプを灯している。

それを確認して、好楽はドヤ顔を
しているはずだ。

その証拠に、今年の全11回を見ると、
ドヤ顔が途中から映ったシーンはない。

また、根拠の1つとして、
次のシーンも挙げたい。

5月3日、たい平に挨拶で
イジられると、好楽は

「よせよ!」と突っ込んだ。

たい平を捉えていた
カメラが自分に切り替わったと
気付くと、好楽はもう一度
「よせよ!」と発している。

カメラマンは好楽を
意識しているし、
好楽もカメラマンを
意識しているのだ。

リモート放送では
カメラマンが構えて
いるわけでもなく、
スイッチャーが
赤いランプで
知らせるわけでもない。

家で1人取り残された
好楽からドヤ顔が消えたと
推測される。

【3】無観客

好楽は観客の反応によって、
ドヤ顔の長さを変えている。

例えば、3月15日には
「あのお好み焼きで有名な
大阪が日本から離脱したい
みたいですね
(司会:本当ですか?)。

この話さ、ひっくり返されたみたい」
と回答後にドヤ顔をしたものの、
客や司会の昇太の反応が
薄かったためか、1秒で終了している。

一方、3月8日に
「いや~宮城県走ってると
思い出すなあ(司会:頑張れ!)。

宮城県と円楽は先代が良かった」と
回答すると、観客が大爆笑。

すると、好楽は人差し指で
カメラを指してからドヤ顔へ。

その後、3度も首を左に
捻ってアピールした。

途中、円楽の表情も
挟まれたが、7秒近くも
ドヤ顔が続いたと思われる。



前述の斜めに顔を向けた

「芸の道にゴールはない」
「飛び石連休」ネタの際、
もし公開収録で観客が沸けば、
そのまま顎を引き、
上目遣いの視線になって
ドヤ顔が完成した可能性は
十分あっただろう。

つまり、好楽のドヤ顔は
本人の意思だけでなく、

セット、スタッフ、観客が
一体となった時、
初めて生まれるものなのだ。

我々は、もう4か月近くも
好楽のドヤ顔を拝めていない。

新型コロナウイルスの
早期終息による『笑点』
公開収録復活、

そして好楽のドヤ顔披露を
願ってやまない。

◆取材・文/岡野誠:ライター、

笑点研究家、松木安太郎研究家。

NEWSポストセブン掲載の〈検証 
松木安太郎氏「いいボールだ!」は
本当にいいボールか?〉
(2019年2月)が
第26回『編集者が選ぶ雑誌
ジャーナリズム賞』デジタル賞を受賞。

本人や関係者への取材、
膨大な一次資料、視聴率などを用い、
好楽ドヤ顔研究以上に
丹念な考察をした著書
『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記』
(青弓社)が話題




NEWS ポストセブン 8/9(日) 16:05配信

最終更新:8/9(日) 19:42


https://news.yahoo.co.jp/articles/4b835de80626db5d5db9af15061ef45a8bcd1d4c?page=1
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b835de80626db5d5db9af15061ef45a8bcd1d4c?page=2
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b835de80626db5d5db9af15061ef45a8bcd1d4c?page=3












nice!(0)  コメント(0) 
リモート大喜利で“好楽のドヤ顔”が消えたワケ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。